不妊クリニックへのカップル受診の現状

不妊クリニックへのカップル受診の現状

Ⅰ.はじめに

過去文献において、パートナーの協力体制、理解度、親密さが不妊治療を受けているカップルの、身体的・心理的健康をもたらす重要な概念であり、カップルの身体的・心理的健康を向上させるためのケアを構築するうえで、それらを把握することは有用であるとされている。当院では初診来院時、カップルの付き添い有無をデータとして蓄積している。初診時にパートナーとともに受診する患者背景、妊娠率などのデータ集計から、カップル受診の現状について報告する。

Ⅱ.方法

2014年6月以降2年間の診療記録から、受診状況(パートナー付き添いの有無、来院人数、年齢、不妊期間)に該当する項目を分析対象とした。分析方法は記述統計、t 検定、χ2乗検定とした。データの収集、研究は倫理審査委員の承認を得たのちに行っている。

Ⅲ.結果

初診患者N=649うち、初診時カップル受診は、N=53(8.1%)、単独受診はN=596(91.8%)であった。以下、付き添いの有無を比較して記載する。平均年齢(35.9歳±6.45vs35.9歳±4.95)、不妊治療歴(57.0カ月vs54.2カ月)であった。一般治療の症例あたりの妊娠率(37.7%vs36.1%)、凍結融解胚移植の胚移植あたりの妊娠率(43.8%vs44.2%)であった。不妊治療歴に対してt 検定、一般治療の症例あたりの妊娠率、凍結融解胚移植の胚移植あたりの妊娠率に対してχ2乗検定を行った結果、いずれも2群間に有意差は認められなかった。

Ⅳ.考察

今回はパートナーの協力体制のひとつとして、カップル受診をとりあげ、それらが治療のアウトカムの一つである妊娠率にどのような影響を及ぼしているのかデータ分析を行ったが、妊娠率に差異は認められなかった。パートナーの協力体制が妊娠率に影響するか否かを、測る指標として、今回は初診時カップル受診を取り上げたが、パートナーの協力がありながらも、単独受診になっているというケースはある。また、不妊治療を進めていくうえで、女性の精神的負担は、夫の協力体制と相関があるということは過去文献においても、明らかになっている。多くの女性が、夫の協力を望んでいるなかで、今回のカップル受診率(8.1%)はまだまだ改善の余地がある結果であったといえる。カップル受診率と、平均年齢、不妊治療歴に相関がなかったことは、いずれの年齢や、治療段階においても共通した、初診時カップル受診を選択した理由、単独受診になってしまった理由があるということである。今後それらの内容を明らかにすれば、初診時の診察・説明内容や、受診前の案内内容がより患者のニーズに一致したものになり結果的に治療の満足度につながっていくと考えられる。

 

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