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不育症について

不育症について

厚生労働科学研究班では、不育症を「妊娠はするけれど2回以上の流産・死産もしくは生後1週間以内に死亡する早期新生児死亡によって児が得られない場合」と定義しています。
(現在のところ、日本産科婦人科学会の定義では、妊娠反応が陽性になった後、子宮内に胎嚢を確認する前に流産となる、生化学的妊娠は流産回数に含めないことになっています。)
妊娠初期の流産の原因の大部分は受精卵の偶発的な染色体異常とされていますが、流産を繰り返す場合には、その他に流産の「リスク因子」を有することがあります。

「リスク因子」としては、夫婦染色体異常、子宮形態異常、内分泌異常、凝固異常があります。
これらのリスク因子に対する検査は2〜3回以上流産を繰り返す場合に勧められますが、1回の流産でも妊娠10週以降の流産の場合や死産、早期新生児死亡の場合は母体の要因が大きくなるとされているため検査をする意義はあると考えられています。
当院では、適応のある患者様に対して夫婦染色体異常以外の子宮形態異常、内分泌異常、凝固異常に対する検査を実施しています。

図のように、不育症のリスク因子の頻度は子宮形態異常7.8%、甲状腺異常6.8%、夫婦いずれかの染色体異常4.6%、抗リン脂質抗体症候群10.2%、第Ⅻ因子欠乏症7.2%、プロテインS欠乏症7.4%、プロテインC欠乏症0.2%で、残りの65.3%はリスク因子不明の流産でした。
また、流産の際の胎児染色体異常の頻度は80%とも言われているので、リスク因子不明の流産の大半は偶発的流産と考えられます。

それぞれのリスク因子の説明

夫婦染色体異常

2回以上の流産を繰り返し、流産胎児の染色体分析で不均衡型転座などが検出された場合には、夫婦どちらかに染色体構造異常がある可能性があります。その場合夫婦の染色体検査の適応となりますが、実施にあたっては倫理面、夫婦関係などに配慮して慎重に行われるべきものです。

内分泌異常

甲状腺機能亢進・低下症、糖尿病では流産のリスクが高くなります。
これには甲状腺自己抗体の影響や、高血糖による胎児染色体異常の関与が指摘されています。
血液検査でこれらの異常が見つかった場合は、内科医と連携して、服薬や食事療法で機能を良好な状態にして妊娠する必要があります。

子宮形態異常

中隔子宮、双角子宮など子宮の形態異常がある場合は着床の障害になったり、胎児や胎盤を圧迫して流・早産になることがあると考えられています。
子宮形態検査としては、子宮卵管造影検査(HSG: hysterosalpingography) 、3D経膣超音波検査、MRIなどが利用されています。
治療に関しては、中隔子宮でも双角子宮でも手術を行わない経過観察で最終的に78%が出産に至るという報告もあり、それぞれの患者様の背景などを考慮して手術よりも優先すべき治療はないか、手術が本当に必要かなど、総合的、専門的に判断する必要があります。

凝固異常

抗リン脂質抗体症候群、プロテインS欠乏症、プロテインC欠乏症、第Ⅻ因子欠乏症などの一部では血栓症などのより流産・死産を繰り返すことがあります。
これらの凝固異常のリスク因子のうち、抗リン脂質抗体症候群に対する検査は不育症のリスク因子として十分な科学的根拠の認められる「不育症一次検査」に含まれますが、その他のプロテインS活性、プロテインC活性、抗フォスファチジルエタノールアミン(PE)抗体、第Ⅻ因子活性は、不育症との関連が示唆されている検査ですが、不育症のリスク因子として確実な科学的根拠があるという段階には至っておらず、「選択的検査」となります。
抗リン脂質抗体症候群は、抗カルジオリピンIgG抗体、抗カルジオリピンIgM抗体、抗カルジオリピンβ2GPI抗体、ループスアンチコアグラント検査のうちいずれか1つ以上が、12週以上の間隔をあけて繰り返して陽性の場合に診断されます。その場合には低用量アスピリンとヘパリンの併用療法について有効性を示す科学的根拠があります。
上記の「選択的検査」についても、プロテインS欠乏症で妊娠10週までの初期流産を繰り返した場合、
低用量アスピリン療法を行った生児獲得率が無治療での生児獲得率より統計学的な有意差をもって高いというデータもあり、プロテインS欠乏症、プロテインC欠乏症に関してはこの状況を踏まえた上で治療の適応を検討することになります。

参考文献:
1)齋藤滋,田中忠夫,藤井知行 他。本邦における不育症リスク因子とその予後に関する研究。厚生労働科学研究費補助金成育疾患克服等次世代 育成基盤研究事業。不育症に関する再評価と新たなる治療法の開発に関する研究。
2)生殖医療の必修知識 P397-444

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