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PREIMPLANTATION GENETIC TESTING

着床前診断(PGT-A,PGT-SR)

当院は日本産科婦人科学会からPGT-A認可施設の承認を受けています。

PGT-Aは移植する前の胚盤胞の染色体を検査して、流産の可能性が低い胚を選んで移植する技術です。
体外受精で赤ちゃんが得られない理由の多くは、胚の染色体異常です。
胚に染色体異常があると、着床前後や妊娠の早い時期に胚が寿命を迎えることがほとんどです。
もし移植する前に、胚が出生に至らない染色体異常だとわかっていれば、流産などのつらい経験を避けられる可能性があります。

PGT-Aで赤ちゃんが産まれる確率

染色体正常の胚を移植しても100%赤ちゃんが産まれるわけではありません。
着床から出産までには、染色体以外の様々な要因があるからです。
下のグラフは1回の移植ごとに赤ちゃんが産まれる確率を示しています。
女性の年齢が高くなるほど出生に至らない染色体異常胚が多くなりますから、PGT-Aをしない場合(オレンジ色と緑色)は年齢とともに赤ちゃんが産まれる確率が低くなっています。PGT-Aをすると年齢に関係なく赤ちゃんが産まれる確率が約60%とある程度一定になります(青色)。

胚移植をして赤ちゃんが産まれる確率

検査方法

体外受精で胚盤胞(受精してから5日目・6日目の胚)まで育ったら、胚盤胞の一部の細胞を切り取ります。
切り取った細胞の染色体を検査して、生き残る可能性が高い胚かどうかを調べます。

検査方法

対象者

当院は日本産科婦人科学会の見解を遵守してPGT-A/SRを実施しています。
学会の規定により、PGT-A/SRは次の①~③のいずれかに当てはまる方のみ検査することができます。

  • ① 今までに胚移植で胎嚢が見えない結果を2回以上経験されたことがある方
  • ② 今までに2回以上胎嚢が見えた後の流産を経験されたことがある方
  • ③ ご夫婦のどちらかに転座(流産しやすい染色体ができやすい体質)がある方

メリット・デメリット

メリット

  • 染色体異常で生き残れない胚を移植することが避けられる可能性があります。
    これにより、流産や着床しないなどのつらい経験を回避できる可能性があります。
  • 移植回数が減ることで、身体的・精神的・経済的負担が軽減する可能性があります。

デメリット

  • 染色体正常胚を移植しても、必ず元気な赤ちゃんが産まれるとは限りません。
  • 細胞を切り取ることで胚がダメージを受ける可能性があります。
  • 以前から凍結してある胚を検査する場合、凍結・融解の回数が増えて胚がダメージを受ける可能性があります。

注意点

  • 初期胚は検査できません。
  • 胚盤胞の状態によっては検査ができない場合があります。
  • 検査結果は100%正しい訳ではありません。検査結果と実際の赤ちゃんの染色体は異なっている可能性があります。
  • 染色体の検査なので、それ以外が原因の赤ちゃんの病気や体質は調べられません。
  • 性別はわかりません。

料金(税込)

採卵~胚凍結まで(PGTA手技料含む)

1個 495,000円
2個 572,000円
3個 638,000円
4個 704,000円
5個 759,000円
6個 814,000円
7個 869,000円
8個以上 (7個の価格に加え)1個につき、55,000円追加
PGTA(生検)が実施できなかった場合 採卵から胚培養まで要した費用の実費
検査後遺伝カウンセリング(結果開示) 11,000円
凍結胚でPGT-A/SRをする場合の料金 ※検査前遺伝カウンセリングでご説明いたします

※PGT-Aを実施する際の体外受精は自費になります。

PGT-SR

PGT-SRとPGT-Aは検査方法が同じです。ご夫婦の染色体に転座などがあり、流産を繰り返しやすい体質を持つ方(対象者③に当てはまる方)のための検査をPGT-SRと呼びます。染色体の過不足がない、流産の可能性が低い胚を検査で選び子宮に戻します。
染色体(体の設計図)の過不足が大きいほど流産しやすく、過不足が小さいときは病気を持った子が産まれる可能性があります。

転座の説明画像

転座とは

染色体の一部が入れ替わっています。染色体の過不足がないので健康です。
卵子/精子の染色体の過不足が起こる可能性があります。

転座がある人とない人の違いの説明画像

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