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CONFERENCE / PAPER PRESENTATION

採卵決定のタイミングと3Dエコーが卵子の成熟率と培養成績に与える影響について

【目的】

近年、仕事をしながら通院する患者が増えており、通院の負担を軽減するために早期に採卵決定を行うケースがある。そこで、採卵決定のタイミングがその後の培養成績に及ぼす影響を検討した。また、当院では卵胞の容積から卵胞径を計測できる汎用超音波画像診断装置(以下3Dエコー)を導入しており、より客観的かつ正確に卵胞径を計測することが可能となった。採卵決定時に3Dエコーを使用することがその後の培養成績にどのような影響を及ぼすかを検討した。

【方法】

(検討1)Long法で卵巣刺激を行った335名を、採卵の2日前、3日前、4日以上前に採卵決定した3群(34歳以下と35歳以上)に分け、卵子の成熟率とその後の培養成績を比較した。

(検討2)Long法で卵巣刺激を行いICSIを実施した38名の患者のうち、採卵決定時に3Dエコー又は従来型エコーを使用した2群で卵子の成熟率とその後の培養成績を比較した。

【結果】

(検討1)34歳以下では、2日前、3日前、4日以上前の各群の成熟率は86.1、82.1、63.5%、ICSI受精率は81.6、82.4、79.1%、c-IVF受精率は60.7、54.7、45.0%、胚盤胞到達率は58.8、50.0、41.5%、良好胚盤胞率は23.0、25.6、18.9%となり、成熟率、c-IVF受精率、胚盤胞到達率において4日以上前群が2日前群と比較して有意に低くなった。

35歳以上では成熟率は78.2、79.2、96.2%となり、4日以上前群が他の2群と比較して有意に高くなった。ICSI受精率、c-IVF受精率、胚盤胞到達率、良好胚盤胞率は3群間で有意な差はみられなかった。

(検討2)3Dエコー群、従来型エコー群の成熟率は各87.5、76.7%で、3Dエコー群で有意に高くなった。受精率、胚盤胞到達率、良好胚盤胞率で有意差はみられなかった。

【まとめ】

若年層においてLong法で採卵する場合、採卵決定を早期にしてしまうと培養成績が低下する可能性がある。また今回の検討において3Dエコー群で成熟率が高くなったことから、3Dエコーの使用により至適なタイミングで採卵決定ができる可能性が示唆された。

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