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成功率を高める不妊治療とは
院長/春木 篤
院長の春木先生よりお話を伺いました。
一般的な妊娠率はどのくらい?
妊娠率とは一定期間内に妊娠が成立する割合のことを指しますが、一年間に妊娠する確率や周期(月経周期や治療周期)あたりの確率で示されることが多いです。ちなみにいつもより月経開始が遅れて妊娠反応は陽性になったものの、その数日後に月経が開始して子宮内に胎嚢が確認できなかった場合は、生化学的妊娠(いわゆる化学的流産)と定義され、不妊治療を受けられている方ではしばしば経験されますが、通常は妊娠には含めません。
超音波検査で子宮内に胎嚢を認めた場合を臨床妊娠とよび、この臨床妊娠が成立する確率を一般的には「妊娠率」としています。避妊をしていないカップルにおいて1年間に妊娠が成立する割合は20代から30代前半で約85%と報告されています。また一回の月経周期に換算すると、自然妊娠する確率は、20代前半で約25~30%、20代後半から30代前半で約20~25%、30代後半から40歳までだと約15~20%、40歳以上になると5~10%まで低下します。ただし、これらの妊娠率は卵管通過障害や子宮内膜症などの不妊原因がある場合や不妊期間によっても大きく低下します。年齢が若くても1年間不妊であった場合は、以後の月経周期あたりの妊娠率は3%前後まで低下すると言われており、女性年齢が30代前半であっても不妊治療を受けなかった場合には以後の3年間における出産率は卵管通過障害がある方や子宮内膜症の方では約16%と極めて低いことが報告されています。
一般治療で妊娠率を上げる工夫とは
一般治療にはタイミング療法と人工授精がありますが、これらの妊娠率については治療の対象とされる方々が「不妊症(一年間以上妊娠していないカップル)」であることを前提としている点に留意しなければなりません。
治療を受けている場合の1回の月経周期を「治療周期」と定義しますが、この治療周期あたりの妊娠率は何も工夫をしないタイミング療法では上述したように約3%と考えられ、精液の調整や子宮内への確実な調整精子の注入を行う人工授精では約2倍の妊娠率が期待されますが、それでも約6%となります。一方で内服薬や注射によって卵巣を刺激する排卵誘発を行った場合には、過排卵(2個以上の排卵)や黄体ホルモンの上昇効果などから妊娠率は約1.5倍上昇すると言われています。また、原因別にみると卵管通過障害があれば子宮卵管造影検査を受けただけでも妊娠率の上昇が見込めますし、当院で多く実施しているカテーテルによる卵管鏡下卵管形成術後には約2倍の妊娠率(院内データ)が見込めます。また、子宮内膜ポリープを認めた場合、これを切除することによっても妊娠率の上昇が見込まれます。
このように原因を追究し、その原因に対して適切な外科的治療を行い、さらに治療周期に排卵誘発剤を使用すればおのずと治療周期の妊娠率は上昇します。
体外受精・顕微授精で妊娠率を上げる工夫とは
一般治療に対して、卵巣から回収した卵子を精子と受精させる方法を体外受精と呼び、特に顕微鏡下にニードルを用いて卵子内に精子を注入する方法を顕微授精と呼びます。
日本産科婦人科学会の報告(2022年)では、胚移植(子宮内に受精卵を移植)あたりの妊娠率は体外受精で約25%、顕微授精(精巣内精子回収術によるものを除く)で約19%です。また最近では体外受精・顕微授精後に受精卵を一旦凍結してから、翌月以降に凍結胚を融解して子宮内に移植する凍結融解胚移植が主流となっていますが、この方法では胚移植あたりの妊娠率は約38%となっています。
このように卵子回収を行った周期で胚を移植(新鮮胚移植)するよりも、一旦受精卵を凍結してから移植することで妊娠率の上昇が見込めますので、当院では胚移植の98%以上を凍結融解胚移植で行っています。また妊娠成績には受精卵の質の向上が非常に重要ですから、実際に顕微授精を行い、受精卵を管理する胚培養士の役割は非常に重要です。
当院には、日本卵子学会が認定する生殖補助医療胚培養士が11名在籍し、毎月実施している医師とのミーティングにおいて、受精率や胚培養成績、臨床妊娠率を評価しながら、培養液の選定や受精方法の工夫、新たな技術の導入などを常に検討しています。
春木レディースクリニックではなぜ胚移植あたりの妊娠率が全国平均よりも高いのでしょうか?
当院における2022年の凍結融解胚移植あたりの妊娠率は全体で49.9%と全国平均よりも10%以上も高く、年齢別でも35歳未満が63.5%、35歳から39歳が53.1%、40歳以上が30.2%と良好な成績を維持しています。
その要因としては、独自のデータベースシステムを用いてあらゆる角度から臨床妊娠率に影響を与える因子を解析しているからだと考えられます。
卵巣刺激法別の成績や、使用する薬剤の種類、受精方法、先進医療の併用の有無、移植する胚の選別などを詳細に解析したうえで治療計画を作成します。またこのデータベースシステムを用いて医師や培養士の技量まで細かく分析し、必要であれば再トレーニングを行う体制をとっており、どの医師あるいは培養士が担当となっても良好な培養成績や高い妊娠率が維持できるような体制もひとつの要因と思います。
他には、私を含め当院の医師は生殖医療に従事するまでの専門分野が多岐にわたり、周産期、婦人科腫瘍、腹腔鏡と様々である点も他の施設とは異なった特徴といえます。
専門的な医師がいることによって、妊娠率に影響を与えるような卵管留水腫、子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫などの異常を発見し、信頼できる医療施設において手術を実施していただいた後で胚移植を行うなど「高い胚移植あたりの妊娠率」が維持できるような工夫をしていることも大きな要因と考えます。
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