こんにちは

春木レディースクリニック心理師の濵口です。

１０月になりました。この時期になると夏とは違ったさまざまな食材…梨・柿・栗・薩摩芋・松茸などなど…が店頭に並び出します。暑くて食欲不振に陥っていた頃とはうってかわり、気候も過ごしやすくなってきて食べる気力も増し、「食欲の秋」という言葉とも相まって、何でもおいしく感じられてしまうかもしれませんね。葡萄狩り、お芋ほり、紅葉狩りなど外でのイベントにも出かけやすい季節です。空の高さと澄んだ空気をたっぷりと味わってみましょう。

さて、自分ではない誰かが「何を考えているのか」「どう物事をとらえているのか」「どんな常識を持っているのか」…などに思いをはせる場合、どうしても自分自身の中にあるもの、つまり自分自身に馴染んだ尺度で考えていきます。だって、自分が生まれてきてその環境下で育んできた価値観外のことってなかなか想像がつかないものだからです。

例えば、こんな感じを思い浮かべてみてください。
朝ご飯を白米とみそ汁で毎日食べるという人が、今までずっと小さい頃からその環境で育ってきたので、それが常識！それが正解！と思っていて、パン食の人やグラノーラ派の人について、常識はずれである、白米を食べないと絶対に力が出ないのに何故食べないの？！と叱ったりする…これで責められる相手の方はしんどいですね。あなたの価値観を押し付けられても困ります…ということになりますよね。
でもその人には、その世界（白米の朝食を美味しいと食べてきた、家族からやっぱり白米が一番だよね、力が出るしね、と言われてきた）が、自分の後ろ盾・拠り所として存在しているので、なかなか外せない…そのこと自体は全く問題ないですし、むしろ自分自身の1つの土台としてとても大切なものかもしれません。ただ、ここで気になるのは、その自分の中の価値観のみを尺度として全てを測ってしまう、そしてそれ以外を否定してしまうという点でしょうかね。

過去には、「1つの常識という名のもとにあるモノ」から外れたら非常識、非国民とまで言われた時代もありました。しかし今は多様性の時代、たくさんの多様化した価値観を認めようという視点があります。ただ、それぞれの価値観にはそれぞれの良さがあり大切にされるべきものかもしれませんが、人によっては相容れないものもあるのではないでしょうか。自分と違う価値観を認めるって、とても難しいことなのかもしれません。ただ、認めることとそれを受け入れて合わせないといけないと思い自分の価値観を無理に修正するということはまた別の話です。

まずは、さまざまな相手の価値観の多様性を感じること…この人ってこう思っているのか、私では考えないことだな、でもここはわかるな、こんなことを考える人もいるんだな…などと感じてみることです。そうするといつの間にか、自分だけの狭い尺度では測れなかった世界が少しずつ広がっていくのを味わえたりします。
そのためには、相手の話を自分のタイミングでさえぎるなど自分の尺度で狭めてしまわないこと、こちらの心を無にして相手の話を聞いてみること、また、いろいろな人のエッセイを読んでみたり映画やドラマなど疑似人生を体験してみたりして、その主人公の考えを味わうことなどなど…が効果的です。
さまざまな価値観に出会うことは、自分の視野を広げるため、更にそうすることで思考が柔らかになってストレスやイライラを低減するための、ひとつの方法でもあります。

治療での不安はもちろん、それに伴って、ご自身のことやご夫婦のこと、ご家族のこと、お仕事のことなど、何となくモヤモヤした気持ちをお持ちでしたら、とりとめもなくお話に来てください。ご自身でお話されることで気持ちが整理され、モヤモヤやイライラが少しずつ減っていきます。あなたのしんどい思いに寄り添っていっしょに考えていくのが「こころのサロン」です。

どうぞお気軽にお越しください😊


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春木レディースクリニック
臨床心理士・公認心理師　　濵口美雪

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「こころのサロン」は1回50分です。料金は無料です（44歳以上の患者様は1回あたり3,300円申し受けます）。
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