7月になると本格的に夏に突入するといったイメージがありますね。梅雨が明けた時には「さあ！これから暑い夏がやってくるぞ！」などと思います。しかし、最近は梅雨の頃から真夏日を超える気温が続き、雨の降り方も雷を伴った突然の豪雨が多くなっています。特にはっきりした梅雨と夏の境目がなく、何となく梅雨が明けた感じかなぁ…夏になったのかなぁ？それにしては雨が続くなぁ…などと曖昧なまま夏に突入するように感じられる方も多いのではないでしょうか。今までになかった規模の災害等も多く、気象状況も一昔前よりなかなかに複雑になっている昨今、曖昧さは当然でしょうし、特に白黒つけることでもないように思います。

さて気象状況はともかく、様々な物事について、「何となくはっきりしてくれないと」「はっきりさせないと」モヤモヤするというふうに考えることはありませんか？
物事に対して、白黒はっきりさせないとすっきりしない、曖昧は許されない、何にでもついつい評価してしまって、〇か×かで判断してしまう傾向がある…といったイメージでしょうか。
そのような場合、例えば、一つでも自分を×と評価するとどうして○ではないのかと自分を責めてしまったり、一つが〇でなかったら全てが×のように考えてまたしても自分を責めてしまったり、「〇でないといけない」という自分の理想や思い込みをかたくなに追いかけてしまったり…融通性が無くなってしんどさを感じてしまうことがあります。

物事を〇か×か、良いか悪いかの二つに当てはめること自体がなかなか難しいように思いますが、無理にでもそれをやろうとする…そもそも何に照らし合わせて〇か×かを決めているのでしょう。ある側面だけをみていることもあるでしょうし、偏った価値観やはたまた誰かに押し付けられた価値観で判断しているかもしれないのです。

例えば、○○と考えないからAさんは悪い人、○○と思っているBさんは良い人…と思っていても違う方向から見た違う面が見えてしまうと混乱してしまうこともあります。物事に対して良いか悪いかの二つしか存在しない考え方は、ある意味はっきりして分かりやすく楽かもしれません。どちらかしかないのですから。その判断に従っていればいいのですから。しかし物事は多面的であり、それ以外の部分も受け入れる準備がないと混乱してしまいます。日々の生活にはバリエーションがあります。こんな場合は？この人には？今日の気分でいうと？等々曖昧過ぎるたくさんのバリエーションがあるのです。かたい二極化思考ではついていけなくなって、しんどくなってしまうこともありますね。

そこで、しんどくならないために、〇か×かで判断しないように工夫してみましょう。他に考えられることはないのかと思いを巡らせてみる練習や自分と違う考え方の友人と話して評価せず「あ～そうなんだ～」とありのままを受け止める（受け流す）練習をするのも一つです。
様々な価値観と出会うことがポイントです。〇と×以外にも△や◇等いろいろな考え方があることを感じて、許容できるようにしてみましょう。「（たとえ自分の考える完璧な〇でなくても）ま、いっか～」「それもありかな～」と余裕を持って受け入れられると気持ちの中の焦りやギスギスした感じが取れて軽くなったと感じることができるかもしれません。二極化思考は自分を緊張させて余裕をなくさせる、また、〇以外は×ですから完璧を必要以上に求めるといった縛りを生むことがあります。もしそれで、しんどいな…と感じられたら、多様な考え方を受け止めて緊張を緩め「ま、いっか～」を増やす気持ちの持ちようを工夫してみてください。

治療での不安はもちろん、それに伴って、ご自身のことやご夫婦のこと、ご家族のこと、
お仕事のことなど、何となくモヤモヤした気持ちをお持ちでしたら、
とりとめもなくお話に来てください。ご自身でお話されることで気持ちが整理され、
モヤモヤやイライラが少しずつ減っていきます。
あなたのしんどい思いに寄り添っていっしょに考えていくのが「こころのサロン」です。
どうぞお気軽にお越しください😊


春木レディースクリニック
臨床心理士・公認心理師　　濵口美雪

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