いまだに寒い毎日がつづきますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

今回は当院で新たに導入する技術である「人為的透明帯除去培養法(ZPF)」についてのお話です。

ZPFとは卵子の周りにある透明帯と呼ばれる殻を取り外してから培養するという方法です。

一部の卵子が透明帯の内側にくっついている(癒着)ことがあり、そのせいで分裂時にフラグメントと呼ばれる粒が発生して胚盤胞になりにくくしてしまうのではないかという仮説があります。

そこで、透明帯を取り除くことでフラグメントの発生を抑制するために実施します。

ZPFはミオ・ファティリティ・クリニックにて2019年から研究されており、2020年には妊娠した症例が公表され、その後に出産へ至っています。

その後、複数のクリニックで実施され有効性が示されています。

当院でも2025年の初めより、初期の卵割でフラグメントが多量に生じる症例や卵子と透明帯の癒着が顕著な症例を対象に実施をお勧めしていく予定です。
また、保険適応外のため自費診療の方のみが対象となります。

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培養部　井﨑