夏が終わり、肌寒く感じるようになったのではないでしょうか。

個人的には少し涼しくなったように思っています。

さて、今回も前回に引き続き精子についてお話させていただきます。

前回は精子の形態でしたが今回は精子の運動についてです。

精子の運動は受精するためにはとても大切なものです。

しかし，精子は作られてすぐには運動していません。

精巣内で作られた精子は精巣から精巣上体へと運ばれます。

この精巣上体を通過する過程で成熟し、運動が出来るようになります。

何事も動くためにはエネルギーが必要だと思いますが、もちろん精子も同様です。

精子は頭と尻尾の中間地点にあるミトコンドリアが生産するエネルギーによって動いています。

しかし、精巣上体内では無駄なエネルギーの消費を抑えるために運動しないようになっており、精巣上体を通り抜けた後に運動を始めます。

精子の運動にもいろいろあり、しっかりと前進している精子もいれば、その場で動いている精子、動いていない精子もいます。

動いている精子の割合を運動率として算出し，この運動率が低すぎると「精子無力症」といった診断がされます。

元気に前進している精子を治療に使用するために、採取された精液は処理する必要があります。（精子処理については、過去のブログを参照ください）

処理によって集められた状態のいい元気な精子を人工授精や体外受精、顕微授精に使用しています。

 
精子の映像を添付しますので興味のある方はご覧ください。

◇精液中の精子

◇処理した後の精子

ますます冷え込む季節となりますが、体調を崩さないようにお過ごしください。

春木レディースクリニック公式インスタ

春木レディースクリニック
培養部　福迫