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CONFERENCE / PAPER PRESENTATION
学会・論文発表
生殖医療専門クリニックで妊娠後に出産施設へ転院する前の遺伝カウンセリングの有用性の考察
目的
当院は生殖医療専門クリニックであり、2019年11月から常勤の認定遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリング(以下、GC)を通院患者に対して実施している。当院で妊娠して出産施設へ転院する前に実施した高年妊娠や出生前検査に関するGCを後方視的に検討し、その有用性を考察する。
方法
2019年11月~2022年2月に実施されたGCの内、1.高年妊娠(妊婦)、2.女性加齢(非妊婦)、3.年齢を理由としない出生前検査、の3種類を主訴とするGCを抽出し、GC記録と診療録を後方視的に検討した。
結果
2019年11月~2022年2月に実施されたGC 466件の内、主訴が1.高年妊娠(妊婦)は204件(43.7%)、2.女性加齢(非妊婦)は93件(20.0%)、3.年齢を理由としない出生前検査は20件(4.3%)であった。セッション終盤において多くの来談者で共通する発言は、「出生前検査で調べる疾患が少ない」「今後の方針を考えやすくなった」などであった。これは、前児で出生前検査を経験していた症例にも当てはまった。
考察
35歳以上の妊婦は、妊婦健診の施設から出生前検査を案内される機会や自発的に出生前検査を受検する機会が増える。ただし、転院後の施設でGCが実施されていたり出生前検査や高年妊娠に対する十分な情報提供がされているとは限らない。来談者の発言から、生殖医療を受ける患者は妊娠・出産・出生児の異常に関する心配が強い傾向がある一方、出生前検査や先天性疾患について正しい知識を持っていない傾向が示唆された。よって、出産施設への転院前にGCを実施しなかった場合、転院後の受診施設によっては、出生前検査に関する誤った知識による意思決定がなされたり、結果解釈が不充分になることが予想される。したがって、生殖医療専門クリニックで妊娠後に出産施設へ転院する前にGCを実施することは有用であると考える。
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