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不妊カウンセラーより
妊活と飲酒
朝夕肌寒くなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回は妊活と飲酒をテーマに少しお話させて頂きます。
お酒が体に与える影響は、個人差や性別差が大きく、適量も人それぞれだという考えもありますが、妊活中は適量と言われている量より確実に少ない量に抑えるべきだとされています。
(E-ヘルスネット「健康日本21におけるアルコール対策」参照)
適量の目安ですが、厚生労働省によると、1日平均純アルコールで20g未満が飲酒の適量と言われています。具体的には、ビール1缶(500ml)、清酒1合(180ml)、ウイスキーブランデ-ダブル1杯(60ml)焼酎小コップ半分(100ml)、ワイングラス2杯(200ml)です。
厚生労働省の調査資料によると近年日本女性の習慣飲酒率が増加しており、習慣的に飲酒を始めてから依存症になるまでの期間は男性よりも女性の方が短いとされています。妊娠を希望される方は早い段階から禁酒のメリットについて考え、飲酒量が増えないように心がけましょう。
では、妊娠に対しては、どのような影響があるでしょうか
女性は、アルコールの過剰摂取によって、肝機能が低下し生理周期が乱れる場合があります。受精卵のベッドをつくるエストロゲンは、卵巣からの分泌と肝臓での分解を繰り返しています。過度な飲酒をすると肝機能が低下し、エストロゲンの分解能力も低下するため、生理周期の乱れを引き起こします。またアルコールの摂取により、基礎体温が上がり、排卵日が特定しにくくなります。生理周期をしっかり把握するためには、特に排卵日前後の飲酒は避ける方が良いでしょう。
男性は、精巣を温めると、精子をつくる力が落ちるため、アルコールの摂取で体温が上昇すると、妊活が順調にすすまない可能性が高まります。精子の運動率が低下したり、DNAの損傷によって胎児の細胞分裂が正常にすすまないなどの影響もあります。
また、アルコールが自律神経や脳の働きに影響し、勃起や射精を妨げる場合があることが分かっています。少量のアルコールでも自律神経に影響し、神経の状態をリラックスから緊張に切り替えられなくなると射精が難しくなります。
そして、男女ともにアルコールの過剰摂取は酸化ストレスを引き起こします。
アルコールを分解すると活性酸素が発生しますが、酸化ストレスとは活性酸素の量と
活性酸素を除去する抗酸化作用とのバランスが崩れた状態です。活性酸素は細菌やウイルスと闘う働きもするので、身体にとっては大事なものですが、大量発生すると健康な細胞を攻撃したり、卵子の老化や酸化を促します。
男女ともに妊活中の飲酒は、適量より控え目にしておくのがよさそうですね。
もちろん、妊娠中は飲酒を控えるべきで、妊娠が判明していなくとも、妊娠している可能性が少しでもある時はお酒を控えた方が賢明です。
禁酒が難しい方は、ウォーキングや映画鑑賞など新しい趣味をもつことで、
アルコールから気を逸らすこともおすすめです。また、アルコールに置き換えた飲み物、ノンアルコール飲料・無糖の炭酸水・ノンカフェインの飲み物などうまく取り入れて生活習慣を見直すことも大切です。
これから年末に向けて忘年会など、食事の際に飲酒する機会も増えると思います。妊活をスムーズにすすめるためにも、パートナーと協力し合って取り組みましょう。
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