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当院の特徴
PPOS(黄体ホルモン併用卵巣刺激)

PPOS
体外受精における卵巣刺激では、
ことを目的に種々の方法が開発されてきました。採卵時に成熟卵をしっかり確保するためには、内因性LHサージを抑制しつつ、卵子を成熟させるトリガー製剤を適切なタイミングで使用する必要があります。
排卵抑制法としては、GnRHアゴニスト製剤を長期間投与することで内因性LHサージを抑制する方法と、卵胞がある程度発育したところからGnRHアンタゴニスト製剤を併用することで内因性LHサージを抑制する方法とがあります。GnRHアゴニスト製剤を使用する場合、1日3回の鼻腔噴霧が長期間必要であり、卵子成熟のトリガー製剤がhCG製剤となるため卵巣過剰刺激症候群のリスクが上昇します。一方、アンタゴニスト製剤を使用する場合のトリガー製剤はhCG製剤以外を選択することができるため、卵巣過剰刺激症候群のリスクをGnRHアゴニスト製剤を使用した場合よりも軽減させることが可能です。しかし、アンタゴニスト製剤は注射剤かつ高価なため、患者さんの経済的・身体的負担が大きくなります。
そのため、より簡便かつ安価で、かつ卵巣過剰刺激症候群のリスクを軽減できるような卵巣刺激法の開発が求められていました。
2015年、KuangらがPPOS (Progestin-primed ovarian stimulation; 黄体ホルモン併用卵巣刺激)法による卵巣刺激について報告しました。月経周期初期より黄体ホルモン製剤を内服することで内因性LHサージを抑制し、トリガー製剤としてhCG製剤以外を選択することができるため、卵巣過剰刺激症候群のリスクを軽減することが可能です。従来の卵巣刺激法と比較し、生産率・出生児の異常率などの臨床成績は同等であると報告されています。
黄体ホルモン製剤を内服することで内因性LHサージを抑制するため、GnRHアゴニスト製剤やアンタゴニスト製剤を使用する場合よりも安価かつ簡便です。また、卵巣過剰刺激症候群のリスクもGnRHアゴニスト製剤を使用する場合よりも軽減させることが可能です。
また、卵巣機能が低下した場合でも良い治療成績が得られたと報告されています。
PPOS法は患者さんの経済的・身体的負担を軽減させることができるため、現在、世界中で実施されています。
月経初期より黄体ホルモン製剤を内服するため、子宮内膜の胚受容能の時期がずれてしまうため、新鮮胚移植を行うことができません。確保できた胚はすべて凍結保存し(全胚凍結)、融解胚移植を行う必要があります。
ただし、日本人では卵巣刺激中に黄体ホルモンの分泌がトリガー製剤投与以前に始まり、子宮内膜が新鮮胚移植に適していない場合が多いため、他の卵巣刺激法を選択した場合でも全胚凍結することが推奨されます。
PPOS法で卵巣刺激する場合の、スケジュールの具体例を下記(図1)に示します。
月経周期2-4日目に超音波検査を行い、黄体ホルモン製剤およびゴナドトロピン製剤の投与を開始します。卵胞発育をモニタリングし、主席卵胞が18mm以上となればトリガー日と採卵日を設定します。採卵日を含め、おおむね3-4回の来院が必要です。

図1. PPOS法の具体例
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