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当院の特徴
RPOC(retained products of conception)

RETAINED PRODUCTS OF CONCEPTION
RPOC(retained products of conception)とは妊娠終了後(自然流産、流産手術、分娩)に生じる子宮内妊娠組織遺残物の総称です。
流産後や分娩後、子宮内に残った胎盤や絨毛組織が壊死、フィブリン(いわゆる血餅)形成を起こし、数日~数週間後にこれらが子宮筋層から剥がれて持続的あるいは大量に出血を起こすことを特徴とする疾患です。RPOCの発生頻度は分娩後 で1% 、流産後は1.5~29%と報告され、流産後に多いと報告されています。
分娩後では、癒着胎盤(分娩後に胎盤が子宮筋層からなかなか剝がれてこない状態)症例で多いという特徴がありますが、流産後に続発するRPOCに関しては、発生する要因やリスクファクターについてはまだ解明されていません。

症状として最も多く見られるのは出血です。
この出血は通常よりも長く続き、ときには予兆もなく大量出血を起こして入院や緊急処置(止血するために血管造影を行いながら子宮動脈を塞ぐ処置:子宮動脈塞栓術)が必要となることがあります。
また、他にも発熱や腹痛を伴うこともあります。RPOCによりhCG(ヒト絨毛性ホルモン)の減少が緩徐となるため月経の回復が遅れる場合が多く見られます。
現時点ではまだRPOCの明確な診断基準は存在しません。
特に流産直後や分娩直後では出血が持続することが多くあるため、この段階での診断は非常に困難です。診断に最も用いられているのは超音波検査における子宮内腔の肥厚所見で、内腔の厚さが10mmまたは15mm以上をRPOCとして定義している論文が多く見受けられます。
また、超音波検査のカラードップラー法において、子宮内および筋層に至る豊富な血流所見もRPOCの診断には非常に有用です。他にも、子宮動脈仮性動脈瘤や子宮動静脈奇形との鑑別のために造影CT・MRIが必要となる場合もあります。上述したようにRPOCを流産後・分娩後すぐに診断できる例は少なく、時間経過と共に大量出血などの症状が出現してからはじめて診断されるケースがほとんどです。
RPOCの治療は確立したものはありません。
腫瘤のサイズや血流の程度、出血の状態などに応じて自然待機、子宮内容除去術、子宮鏡下切除術、子宮動脈塞栓術などを施設ごとに選択していくことになります。外出血が少なくRPOC内の血流が比較的乏しい場合には自然に待機することが多いですが、回復までは長期間(数週間~数か月)を要する場合があります。
特にRPOC内に血流が豊富に認められる場合や、生殖補助医療(体外受精/顕微授精-胚移植)後の妊娠では、自然待機を行っていても最終的に子宮動脈塞栓術やRPOCの切除術が必要となるケースが多いとも報告されています。
一方で、血流が豊富であっても積極的にRPOCを切除(子宮内容除去術あるいは子宮鏡下切除術)していくという考え方もあり、術中の大量出血が危惧されますが、実際には輸血を要するほど大量に出血するケースはほとんどなかったという報告もあります。RPOCに対する標準的な治療法はまだ確立されていませんが、緊急で子宮動脈塞栓術を行うことができ、RPOCに対する治療経験が豊富な高次施設で管理を行うことが非常に重要だと考えられます。
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