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非遠心型精子処理デバイス(Zymōt™)の当院における臨床成績の報告
井崎 顕太(培養士)
大阪
第42回日本受精着床学会総会・学術講演会
2024年8月22日〜23日
井崎 顕太、松村 哉子、黒田 浩正、小山 美佳、新堂 真利子、山田 昌代、西田 理菜、 朽原 知彩都、今井 絢子、松本 真弓、田治見 彩加、山下 千波、福迫 大雅、氏平 千晶、 春木 篤
【目的】体外受精の精子処理において、従来の密度勾配遠心では活性酸素種(ROS)の発生による精子DNA断片化が引き起こされることが問題となっている。そこで精子が通過可能な孔のある膜を利用した非遠心型精子処理デバイスが開発され、回収された精子はDNA断片化率の低下により臨床成績が向上すると報告されている。今回、当院における精液所見および、胚発生の臨床成績を従来法と比較し検討を行った。
【方法】2022年1月~2023年2月の間に非遠心型精子処理デバイス(Zymōt™)を使用した131症例と密度勾配遠心(ISolate ®)+Swim-upを実施した395症例の原精液で夫年齢、禁欲期間、原精液の精液量、総精子濃度、運動率、奇形率に有意差がないことを確認後、処理後の精子データで運動率、奇形率を比較した。また、採卵時の妻の年齢に有意差がないことを確認し一般体外受精(症例数29 VS. 35)の受精率、分割率、Day5での胚盤胞到達率、良好胚率、さらにICSI(症例数84 VS. 93)における受精率、分割率、Day5での胚盤胞到達率、良好胚率を比較した。
【結果】Zymōt™ 処理は精子の奇形率が高いこと(12.1% VS. 7.5% p<0.05 )、一般体外受精においては受精率を低下させること(51.6% VS. 85.8% p<0.05 )が明らかとなった。 また、今回の研究においては一般体外受精およびICSIにおいて分割率、Day5での胚盤胞到達率、良好胚率に有意差は認められなかった。
【考察】今回、非遠心型精子処理デバイスによって一般体外受精での受精率が低下することが示された。要因として精漿に含まれる脱受精能獲得因子(DF)残留の関与が疑われる。検討期間終了後にメーカーより一般体外受精での使用の際は洗浄を推奨されるようになったが、遠心処理を含むためROS発生の要因が完全に排除されていない。そのため、精漿の残留を回避する非遠心型デバイスの開発が期待される。
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