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ホリトロピンデルタのみによる卵巣刺激周期において想定された採卵数よりも少なかった周期の検討

新堂 真利子(医師)

横浜

第67回日本生殖看護学会学術講演会

2022年11月3日〜4日

目的

ホリトロピンデルタはヒト胚性網膜芽細胞により産生される遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモンである。個別の1日投与量は、抗ミュラー管ホルモン(以下、AMH)と体重によるアルゴリズムにより6~12 μgの範囲で決定され、至適採卵数は8~14個と想定されているが、実際にはAMHが良好であるにもかかわらず採卵数が想定よりも少なかった症例を少なからず経験した。そこで今回我々は、ホリトロピンデルタによる卵巣刺激周期において、想定よりも採卵数が少なくなる要因について検討した。

方法

2021年10月から翌年5月末までに当院でホリトロピンデルタのみによる卵巣刺激を行ったアンタゴニスト周期のうち、アルゴリズムによるホリトロピンデルタ投与量が7 μg以下であった68周期を対象周期とし、これを採卵数が8個以上だった良好群(N=55)と7個以下だった不良群(N=13)に分類し、比較検討した。統計学的解析には、χ2検定あるいはFisher's exact test、Student's t検定を用い、危険率5%未満を有意と判定した。

成績

対象周期のうち、不良群は19.1%であった。対象症例はすべてAMH 3.0 ng/ml以上であり、年齢、AMH、体重などの患者背景については両群間で有意な差を認めなかった。また、良好群と不良群において、卵巣刺激の開始日(3.5±1.1 vs 3.7±1.1日; mean±SD以下同様)、刺激期間(10.3±1.7 vs 10.5±2.0日)、ホリトロピンデルタの総投与量(84.0±29.3 vs 76.5±28.8μg)についても、それぞれ有意な差を認めなかった。一方で卵巣刺激の前周期に中用量ピル(ノルゲストレル・エチニルエストラジオール錠)を使用していた割合については、良好群(74.5%)に比べ不良群(38.5%)では有意に低かった。

結論

ホリトロピンデルタによる卵巣刺激において、卵巣予備能力が比較的良好な場合でも至適な採卵数が得られない場合があり、前周期に中用量ピルを服用していない周期では特に注意が必要である。

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