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不妊治療で使用するサプリメントについて
医師/山田 昌代
医師の山田先生よりお話を伺いました。
不妊治療で使用されるサプリメントにはどのようなものがありますか
葉酸は妊娠を望まれる全ての女性に推奨されており、その他、亜鉛、ビタミンD、鉄等のサプリメントが必要時に用いられることがあります。体外受精の際には、採卵に関連するサプリメントとしては、DHEA、メラトニン、レスベラトロールなどがあります。移植に関するサプリメントとしてはラクトフェリン、プロバイオティクスなどがあります。また、男性用のサプリメントとして還元型コエンザイムQ10などがあります。
春木レディースクリニックで特に使用を推奨しているサプリメントは何ですか
葉酸サプリとして当院ではエレビットを推奨しています。エレビットには、十分な量である800㎍の葉酸と葉酸の働きを助けるビタミンB6とB12や、その他にビタミンD、亜鉛、鉄など、妊活・妊娠中に必要な栄養素がバランスよく配合されています。先ほどお話ししたその他のサプリメントについてはそれぞれの患者さんに、検査結果や治療経過に応じておすすめしています。例えば卵巣予備能が低下し卵胞が育ちにくい方にはDHEA、未熟卵が多い方や受精率が低い方、胚盤胞到達率が低い方にはメラトニンをお勧めすることがあります。また子宮内細菌叢(フローラ)の検査結果によりラクトフェリンやプロバイオティクスを推奨することがあります。精液検査や治療の経過により男性用サプリメントとして還元型コエンザイムQ10をお勧めすることがあります。
サプリメントを使用した方が良いエビデンスはあるのでしょうか
葉酸については数多くの疫学研究から、受胎前後における葉酸摂取により胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクが低減することが報告されており、厚生労働省から妊娠の1か月前から妊娠後3か月まで、通常の食事に加えて、1日400㎍をサプリメントで摂取することが推奨されています。その他のサプリメントについては複数の研究で効果が報告されているものがあります。例えば、ラクトフェリン、プロバイオティクスについては子宮内細菌叢の改善に効果が報告されています。また、男性不妊の患者さんに還元型コエンザイムQ10を投与したところ、精子数、精子濃度、運動能などに改善が見られたという研究結果が報告されています。
サプリメントを使用するべき時期について教えてください
葉酸については上述のとおり、妊娠を希望されたらすぐに使用を開始し、妊娠後も少なくとも3か月までは継続していただくとよいと思います。その他のサプリメントについては検査結果や治療経過の中でサプリメントが有効と考えられる場合にその都度提案させて頂きます。患者さん毎、治療の経過によりサプリメント内服により期待される効果が異なると考えられますので、医師と相談のうえ内服を開始していただけたらと思います。
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