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培養室へようこそ
培養室へようこそ7
培養室へようこそ7
皆さまこんにちは!
今回の「培養室へようこそ」は受精確認についてです。
受精確認とは、媒精やICSIを実施した翌日に、卵が正常に受精しているかを顕微鏡下で確認する作業です。
精子が卵子の中に入り受精すると、前核と呼ばれる核が形成されます。
受精確認ではこの核が見えるかどうかを確認します。
正常に受精した受精卵には、卵子由来の核と精子由来の核、2つの前核が確認できます。
この胚の状態を2PN胚と呼びます。
矢印の位置に2つの前核が確認できます。これが「正常受精」です。
前核が3つ以上ある時は、異常受精となります。
多核の受精卵。前核が3つ確認できます。
これは、一般体外受精の場合は1個の卵子に対して2個以上の精子が侵入してしまったり(多精子受精)、また顕微授精の場合は、もともと1個の精子しか卵子の中に注入していないので、多精子受精ではなく卵子側の染色体の異常の可能性があります。
どちらにしてもこのような受精卵は、染色体の数に異常がある可能性が高いため、その後分割したとしても移植に用いることは出来ません。
前核は、受精後約22時間経過すると1つに融合し、その後見えなくなってしまいます。
そのため、受精確認は採卵翌日の午前中に行っています。
また、前核が見えず未受精卵のように見える卵でも、前核が確認できなかっただけで受精している可能性があるため受精確認翌日まで培養を続けます。
無事受精した受精卵は、次に分割期と呼ばれる発育段階に入ります。
次回は受精卵の分割についてお話したいと思います。
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