こんにちは

春木レディースクリニック心理師の濵口です。

4月がやって来ると”春爛漫”という言葉が浮かんで来ます。「爛漫」とは花が咲き乱れる様子、または光り輝くさま、明らかに輝き表れるさま…とのことです。”春爛漫”はまさに今のように花が咲きあふれて光に満ち満ちた春の情景を表現している言葉だと感じられますね。この季節には咲き誇る桜を見上げ深呼吸して、春の躍動感を吸い込むのが好きです。

さて、今の世の中は様々な情報に溢れており、どんなことでもすぐに「なるほどそうなのか…」と納得できるイメージがあります。ただ、その情報大丈夫？ということもたくさんあります。例えばこんなことも…実際に関わっていない人が勝手な思い込みや誰かから聞いたことをネットにあげるとそれが事実のように広がってしまいます。当事者からしたらとてもびっくりですよね。自分達もわからないこと（まさに事実ではないのですから）がまことしやかに流布して、もしも良くない評価を受けたりしたら当事者としてはたまったものではありません。留意点としては、きちんと当事者の話を聞くということが当たり前に必要です。例えば、身近な所では、友人のAさんがどこからか聞いてきたBさんの評判を全て鵜呑みにすることなく自分でBさんに関わって感じて自分の判断を信じるようにするということです。

人はその人の立場や対象の人や場所等との関係性によって感じる所が違います。だから同じBさんといってもAさんとCさんからでは違う印象が語られるはずです。語る人の価値観によっても全く違う人物像になります。例えば…比較的物静かな一家に育ったAさんにとってBさんは「賑やかで明るい人」かもしれませんが、兄弟も多い多世代家族のCさんにとってはそういった印象はないかもしれないといった具合です。これは正解不正解ではありませんよね。人の印象だけでなく様々な物事についての印象は人によって全く違います。すごく良い所と紹介された場所が、たいしたことないな～と感じることだってあるんです。特に気にならずサラッと流せるのなら全く問題ありませんが、もしかしたら「あの人に○○と言われたのに違うじゃないの～」と怒りの感情が出てくる場面もあるかもしれませんね。しんどくて心に余裕がない時はなおさらです。

そんな時、他の人から聞いたことはその人が感じたことであること、人によって様々な見え方が存在すること、を頭に思い浮かべられるようにしておきましょう。話し込むと感情が移入してついつい自分もその人が感じた印象を取り込んでしまうことがあるので、切り離していきましょう。例えば…友人AさんはBさんとの関係性の中で嫌なことを言われた、だからBさんは嫌な人、という話を聞いたとしましょう。嫌な場面やひどい言葉をAさんから聞いて、そこに心を動かし過ぎると「そうか、Bさんは私にもイヤな人だ」となってしまうことがあります。

さて、ここでは、Aさん側からの感情の入った話なので、そこにはその時の両サイドから見た実際の動きは再現されていないのです。そんな時はAさんの話を聞いて、大変だったね…と思うのはよしとして（ご自身とAさんとの関係の中の話）、Bさん自身に対する所（ご自身とBさんとの関係の中の話）は「○○とAさんは言いました」と思っておきましょう。Aさんはああ言っていたけれど実際私はどう感じるのかな…とご自身の事として真っ白な状態で改めてBさんと関わってみましょう。

良い印象に変わる時よりも悪い印象に変わる時にマイナスの感情が出やすいので、とにかく人の言うことはご自身としては参考程度にして、できるだけ真っ白状態で物事に関わるようにすると相手にもご自身にも負担は少ないのではないでしょうか。

春は新しい人や場所と出会うことも多いです。緊張感も確かにあるでしょうが、「（Aさんはああ言ったけど）自分はどう思うのだろう？！」とわくわく感も付け足して新しい体験をされてみてはいかがでしょうか。